自称モンスターなノートPC、『vaio Z』を購入した。非常に値段が高いPCだが、ほとんど文句のつけようがない、現時点で最強のノートPCだと思う。
今回はこのPCのレビューを書く。
vaio proからの進化がすさまじい
具体的なポイントを書く前に、まずどうしても、「sony時代のvaioから、vaio社のvaioになったことで、ここまで変わったのか」という驚きを伝えたい。前作のフラグシップvaioといえば、vaio proだ。vaio proは、とにかく軽量だった。親指と人差し指でつまむだけで、持ち上げられる。
しかし、その軽量化のために、捨てざるを得なかった部分が少なからずあったように思える。強調したいのは、筐体の強度と、タッチパッドの反応の悪さだ。
自分が使っていたvaio pro 13インチ タッチディスプレイなしのモデルは、本当にグニャグニャ。膝の上にPCを置き、その上に手を置いて作業すると、筐体が上に凸の形にたわみ、そのせいで勝手にタッチパッドのクリックが押されてしまうという事態が、必ず起こった。
タッチパッドは、手触りがざらざらで、指を滑らせる感じかしない。その上、感度がかなり悪く、誤反応も非常に多かった。
前回のvaio proは、軽量を追求したあまり、vaioのフラグシップモデルとしては致命的な欠陥が多すぎたと思う。はっきり言って、ユーザーが使うシーンなどは、考えられていない。
今回のvaio Zは、全く違う。vaio信者が首を長くして待ち望んでいた、vaioらしいvaioと言える。仕様上の高スペックは当然のことながら、ユーザーが使う際の、細かい配慮であふれている。使っていて、非常に気持ちのいいノートPCだ。
どの時代のvaioも、見たことのない高スペックと、最新のテクノロジーで、常に我々を驚かせ続けていた。しかし、昔は、vaioはただの高機能PCという立ち位置だけでなく、持っていることがステータスのようなものだった。羨望の的となる存在だった。
しかし、vaio type Pや前回のvaio proなど、ここ最近は、周りから「すごいね(笑)」と、(笑)が付くような製品だったように思える。技術さえ良ければ、それで十分なのか?と尋ねたくなるものばかりだった。
今回のvaio Zは、明らかに違う。ユーザーが利用するシーンをしっかり想像し、究極的にユーザー視点で作り込まれ、スペック表にはない大きな価値が含まれている。
sonyからvaioに製造担当が移転し、心機一転、やりたいことがやれるようになったのだろうか?これまでにもテクノロジーの大幅な進化は幾度となくあったが、今回は、今までで一番、目指すべきもの、精神的な何かが大きく変わったように思う。
はっきり言って、vaio Zは、値段が高い。質量も重くなった。
それでも、このvaioには、これから長くパートナーにして使いたいと思わせる良さがある。
ここから下は、vaio Zのよい点と、さらなる改善をお願いしたい点について、まとめていく。
キーボードの静音性と心地よさ
何よりも強調したいのが、キーボードの心地よさだ。キーボードは、最もよく使われる入力デバイスであるため、その使い勝手次第で、PCを使う時の心地よさが、大きく変わる。
vaio Zは、公式でも謳っているように、キーボードを叩いたときの音が、比較的耳障りではない。
一般的なノートPCのキーボードが「パチャ、パチャ」とか「チャカ、チャカ」という甲高い音がするのに対して、vaio Zは、「ドッ、ドッ」という低めの音がする。そもそも、音自体が他のPCより小さい上に、低い音は耳障りではない。
そのため、新幹線の中とか、カフェ、会議中のオフィスでも、周りに人を気にすることなく、タイピングできる。
キーボードのキーピッチや押し込み具合も非常に心地よい。ただし、これは、人によって好みが変わるので、まずは量販店に行って試してもらいたい。
特徴としては、他のノートPCよりもキーピッチがやや広い。そのため、間違えて隣のキーを押す、ということが少ない。押し込みの深さも、筐体の薄さの割にはやや深い。
筐体の頑丈さと触り心地
前回までのvaioは、カーボン素材(プラスチック?)だった。特に、前回のvaio proはプラスチック部分に指紋や汚れが付きやすく、見た目が非常に不快だった。
vaio Zは、手を置く部分がアルミでできており、指紋が付かない。常にきれいなままである。
さらに、vaio Zは、触っていて、非常に心地がいい。公式HPによると、『表面に繊細な凹凸を生み出す特殊な研磨工程・ブラスト加工』をしているそうだ。アルミボディのPCは多くあるし、実際に自分はいろいろ使ってきたが、このvaio Zは、持ち運ぶときも、手で持って歩きたくなるくらい、触り心地がいい。
当然ながら、アルミが使われているので、筐体がたわむ、ということはない。膝の上にPCをおいても、心地よく作業できる。(逆にこれすらできなかった前バージョンがおかしい)
ファンの音が低音で耳障りではない
vaio Zを使っていて、ほとんどファンが回ることはない。自分のvaio Zのファンが大きく回り続けたのは、購入後にdropboxやgoogle chromeをインストールして、大量にファイルをダウンロードした時だけだ。しかし、何か重い作業をしていたら、どうしてもファンは回るだろう。
それでも、vaio Zのファンの音は、耳障りではないので安心していい。
vaio Zのファンの音は、ノートPCとは思えないような低音である。低音であるほど、耳障りではないので、たとえファンが回り出したとしても、不快感はない。
OSの挙動が機敏
CPUやGPUなどの性能が最強で、たとえばブラウジングなどでももたつくことはない。前回のvaio proは、スペックの選択できる部分は最強にして使っていたが、驚くことにそれでも、カクカクともたつくことがあった。
しかし、vaio Zでは、一切ない。CPUやGPUやメモリは、一般的なモバイルPC用のものより、一段上のものを使っているからだと思われる。
それでいて、あのサイズの収まり、ACアダプターも前回のvaio proとほぼ同じサイズなのだから、性能も非常に優れている。
タッチパッドが使いやすい
これは、前回のvaio proと比べてではあるが、非常に感度が良く、誤認識することなどはない。
さらに、タッチパッドの触り心地が良い。比較的さらさらしているため、指を運ぶという意識なしに、画面上のカーソルを移動させられる。
改善が必要な点
さんざん褒めちぎってきたvaio Zではあるが、今のところ残念な点が二つある。二つ目は、タッチディスプレイのペンを格納する場所がない点である。ペンを筐体の中に格納し、そこで充電までしてくれたら、一番良かった。そもそもペンをあまり使いはしないが…。
最後に
vaio Zは、最強のノートPCに間違いはない。実は、自分は元々、AppleのMacBookを買うつもり満々であった。しかし、 3/9に行われたAppleのkeynoteで、性能性能の低さ、USBポートの件などを聞いて絶望し、keynoteの次の日にsony storeに向かった。
MacBookを買うくらいなら、絶対にvaio Zをおすすめする。 これはmac教かwindows教かvaio教かという問題ではない。現に自分は、デスクトップにiMacを使っているし、タブレットはiPadだ。
MacBookのCPUクロック周波数は1.1GHzで、価格は15万弱。メモリを4GB→8GBに上げたら16万704円。1.3GHzにして、SSD256GBにすると、18万6000円。1.2GHzにしてSSDを512GBにしたら19万9584円。もう、あと少し手を伸ばせば、vaio Zが買えてしまうのだ。Core i5(2.7GHz)のSSD256GBのvaio Zの価格は218,740円。この少しに手を伸ばしたくないなら、いっそうiPad(53,800円)を買った方が、いい買い物ではないだろうか。
OSはMacがいいという人には、vaio Zをすすめようがない。しかし、そうでないなら、vaio Zを考えてみたらいいと思う。
通りすがりのVJZ13Aユーザーです。
返信削除アダプタのUSBポートは普通のUSBポートで
スマホの充電等に使えましたよー^^
コメント、ありがとうございます。
削除本当ですね!使えました。ご指摘、ありがとうございます!
このような間違った説明を書いてしまったのは、購入時にソニーストアのスタッフから「アダプターの形状が変わって、USBではなくなり、給電も出来なくなった」と、説明を受けたのですが…。
うれしい間違いだったようですね。